今日はワークショップ初日だった。始まる前からワクワクしていたが、終わってますますワクワクがつのっているのは私だけではあるまい。最高に刺激的だった。この分ならもっともっと色々な事が試せるはずだ。共同演出の空也坊の興奮もよく伝わってきた。もっとも、私は私で、彼が出演者を前に実演してみせた謡にすっかり魅了されてしまっていたのだが。
今日のワークショップで、改めて、3月・4月に我々がやっておくべきことがはっきりした。
「能の台本を、俳優が読む。」やはり、この一言に尽きるのである。
能楽の世界では、異端視されつつも新作能を手掛ける能楽師がいる。では、現代演劇の側に、能に近づこうというベクトルは存在するだろうか?残念ながら、三島由紀夫『近代能楽集』などはわずかな例外であろう。その三島の達成も、しかし私のやりたい方向とは異なっているのだ。三島は能を新劇にした。私はあくまでも「能」がやりたいのである。
空也坊は能楽師としての見地から『香炉峯』の台本を分析し、のみならず同業の能楽師にもこの本を見せたという。彼らの結論は「これは能の台本だ」。
能楽師が能の本だと認める本を、能楽師ではなく現代演劇の俳優が読むのである。
戦いの幕はここに切って落とされたのだ。