先日、公演会場であるザムザ阿佐ヶ谷にて、ワークショップ風景の撮影を行った。この公演を後援下さっているザムザ阿佐ヶ谷と、今回撮影・編集を快く引き受けてくれた朧座衆きっての映像の達人・遊人君のご好意の賜物である。出来は上々、プロモーションビデオといって良い完成度だった。この場を借りて、心より厚く御礼申し上げる。
この日、最後のキャストである亀谷さやかの出演が正式に決定。彼女も他の多くのキャスト同様、最初は「能を知らない私が?」という反応だった。しかし、私は彼女に話した。なぜ私は能に惚れたのか、私の中での清少納言像…最後、彼女は私にこう言ってくれた。「同じ日本語だもんね!」と。一番心強い言葉だ。
思うに、これは一種の方言芝居である。現代方言を標準語などと思うのは錯覚だ。ただ、現代人の俳優が平安時方や室町時方特有の言葉を喋るには、当然、方言指導が必要である。私の高校時代の恩師にして、国語学者のTADAZUMI先生が、今回のスーパーバイザーを正式にお引き受け下さったことで、出演者たちにもひと安心してもらえるはずだ。
スーパーバイザーと言えばもう一人、作曲家の若杉直樹さんも今回の作品に音楽的見地から意見を下さることが決まった。若杉さんとは、私の前の作演出作品『如人草』でコンビを組ませて戴いたが、実際は彼の素晴らしい音楽にお世話になりっ放しだった。今回は是非、こちらからも彼の感性を刺激する材料を提供したいと思っている。
同じ頃、香港から今回のフライヤー試作品が到着。芸術監督Les Suenの力作だ。いかにも彼らしい、紙の質感を遊び尽くした非常に独創的なフライヤーだ。人々の心になんとも言えない印象を残す不思議な力を持っている。こんなチラシを無駄にばら撒くのはもったいない。芸術品は一枚一枚大切に、戦略的にまかなければならない。
さて一方、21日、杉並区の広報誌に本公演の紹介記事が掲載されてからというもの、早くも20通を越える応募の葉書を戴いている。この旨、区の担当の方に御報告したところ、上々の反響ですねと言われた。舞台芸術の最終完成者は観客である。さらに(財)民族芸術交流財団のメールマガジンで当企画のボランティアスタッフを募ったところ、早くも何人かの方が名乗りを挙げて下さっている。反響は当初の予想よりはるかに大きい。
そして、本公演広報部門のyusukeは、ついにシステム管理担当という肩書きをWebサイトプロデューサーに改め、「若手の伝統芸能系サイトのプロデュースを行う」ブランドを立ち上げると宣言。「TOMOSU(灯す)」という名前だそうだ。同じ広報部安藤誠もこのサイトを見て、一計を講じたらしい。近々、検索エンジンで当サイトの本格デビューと相成る予定。ますますの御期待を乞う。