この「日々朧々」と題する雑文集は、私朧太夫が日々とりとめもなく朧座の諸事について思い考えるところを書き散らすものである。後から読み直してみれば、恥ずかしくなるような偏りや誤りも多々含まれていることであろう。しかし、「その時の私はこう考えそれを世に問うていたのだ」という一種の記録のつもりもあって、恥をしのんで未熟な思考を未熟なままにともかく掲載しているわけである。
とにかく、「日々、朧太夫が朧座について書く」を四字に略した結果が「日々朧々」である。ゆえに、その内容は、直接間接に必ず朧座と関わりのある内容とならざるを得ない。
この雑文集を読んだら、「朧太夫という奴は朧座のことしか考えていないのか」と思われそうだが、致し方のないところであろう。
率直に言えば、私だって朧座のことなどほとんど考えるいとまもない日はあるし(それもあるから毎日更新というわけには行かぬ)、さらに腹をぶち割ったところを明かせば、先に言った事と矛盾するようだが、主宰者たるもの、己の主宰する劇団なりプロデュースユニットなりを一顧だにせぬ日などというのはそうそうないのではないか。
親が子を毎日思ったところで格別の不自然はあるまい。
ただし思い過ぎは考えものかも知れぬ。「朧太夫よ、この頃ちと歩みが早かろうぞ」とさる友人に忠告され、それもそうかも知れぬと反省。
そうそう、長期戦なんである。長丁場なんである。
何せ敵は六百年間を生き抜いた妖怪であった。