先日、「わわしい女」(狂言に登場する、典型的な中世の女性像)について、さる朧座衆からこんなメールを戴いた。
「『わわしい』は私には初語彙なのですが、『猥々しい』みたいな雰囲気でしょうか?」
これに対し、お送りした私の返信はおよそ下記の通りである。
「そういえば『わわしい』って漢字でどう書くのか私も知らなかったので調べてみました。で、わかった事ですが、この言葉、漢字では書かないようです。
漢字で書かない言葉。漢字で書けない言葉。これって、案外大事な事かも知れません。
『うつくしい』には『美』。『つよい』には『強』。『わるい』には『悪』。『いやしい』には『卑』…などなど。
上記の形容詞は、みな大和言葉ですが、それぞれ漢字のイメージを持っております。
しかし、「わわしい」という形容詞には、漢字のイメージが存在しないのです。平仮名のイメージしかない。
ある意味では、もっとも女性的な言葉の一つと考える事も出来るのではないでしょうか。
男は漢字で、女は仮名で物事を考えるのが昔の日本人ですから(今も?)。」
「わわしい」は漢字で書かぬとは。
はからずも興味深いやりとりとなったので、ここに転載しておく。
こういう座衆間におけるメールのやりとりと、このウェブログとを、システム的にうまく結び付ける事は出来ないものか。近々検討してみたい。