今日はまず、「学校の生徒では駄目だ」「自分の殻をまだ壊していない」という話から始まった。
自分の殻を壊す事は大変難しい。そういえば私の高校時代の恩師は、死にかける程の大病か大恋愛にでも遭遇しない限り、人間はそうそう変わらないというような事を言っていた。しかし自分達の仕事の場合、己の殻に閉じこもっていては良い結果は生まれない。
要するに、演劇とは病や恋にも似た所業であるのかも知れぬ。
まだ、稽古場で圧倒的なものが生まれていない。岡本太郎風に言えばベラボーな演劇、爆発する演劇が私は見たいのだ。試験の答案を書くような態度では駄目だ。そんなつもりでやっている者は今回一人もいないのであって、皆真面目だし努力家だ。しかし、それでもまだ何か大切なものが足りない。
そろそろ綺麗事ばかり言ってはいられぬ時期となった。我々は残された貴重な時間に覚悟して臨まねばならない。
政子・侍女。初めて、仮の面を着けてやってみた。やっぱり「生」は観ていられないそうだ。「生」を排する必要がある、でもどうやって?能や狂言ではないのだ、家元だの師匠だのが教えてくれるわけではない、手探りでやってみるしかない!どうにか良い方向には進んでいるようだ…だが、まだ模索中もいいところだ。
抑えるあまり、大事なものが消し飛んでしまったきらいもある。母の愛情など…ここはまた明日やろう。
声は、やはり複数の役者でやるのが良いようだ。一人でやるのとは、やはりパワーや異様さが全然違う。故に、阿部・JERSEY両氏のコンビネーション、これが命だ。
川野氏から、政子が最初から頼家と対立し過ぎているのではないかとの意見を戴いた。母は第三者の視点から我が子を見てはいない、理屈を通り抜けたところで子を信じきっているというのだ。「うちの子に限って」というのがそれだと氏は言う。
氏は、自分が親になってそれを痛感されたようだ。
それにしても今日は、侍女と格闘し頼家と格闘し声と格闘して、あちこちに痣が出来た。痛い…。