朝、装束担当・福原氏邸にて、装束の進行状況を確認させて戴く。頼家装束には源氏の家紋・笹竜胆が。袴部分の素地は、修禅寺で観てきた頼家の直垂を彷彿とさせるもの。朧座紋入り座衆着は受付さんにも着て頂く予定だ。楽しみだ!福原氏によれば、今申楽には入口から別世界であって欲しいとの事。スーツとかではなく。
そして今回、氏が全ての装束に優先して作って下さったもの、それはなんと「万寿」であった。母魂爆発である。髪はわざと長めにしてあって、これは政子に切ってもらいたい、政子にこの万寿を完成して欲しいとの事。今まで、稽古場では他の人形で代用してきたが、それを観て「ならぬ、まずあそこを作らねば」と痛感されたらしい。福原さんならではのお気持ちである。
というわけで、今日から稽古場に万寿が来たのである。良かった。
あとは、鞠と伊豆弁とラストの舞をなんとかせねば。
さて、今日は演奏家全員を含めての初稽古でもある。
当然の事ながら、音楽が入ると作品の印象は大きく変わる。そういう経験は今回が初めてではないが、それにしても音楽担当・奥田氏のセンスには改めて驚かされる。正直、曲を聴くのは私も今日の稽古が初めてであったので、どうなる事かと期待と不安で一杯であったが…後者の方は取り越し苦労であった。
洞窟にかかる音楽に、どこか政子の唄う子守唄と通じるものがあり、良かった。一点だけ、銅鑼の音がそのままでは寺の梵鐘には聞こえないのだが、これも内田氏がなんとか奏法を工夫してくれそうだ。(その間、修禅寺に電話して鐘の衝き方を教わるなど、いろいろ勉強出来た)
唄奏者・今藤氏の椅子をどうするか、検討を要する。
三方の思いと奏でが今回の舞台に不可欠である事を強く感じた。
これが囃子の力だ。良かった。
そして、今日からようやく監修担当・陳氏が稽古場にお目見え。氏の口から発せられる注文の数々が、今までの稽古が確かに実を結んできている事の証明ともなっている。
これまた良かった。
今日は良かった尽くしである。