○新作執筆に取り掛かってみると、今回は不思議と、ブログの更新頻度が上がった。これはもしかすると、新作の内容と関わりのある現象であるのかも知れない。
しかし、それもいつまで続くやら。何しろ、今回もまた長い長い旅になりそうな予感がするのである。
○ブログの更新頻度が上がったからとて、それは必ずしも執筆順調を意味するものではない。むしろ往々にして逃避を意味する。
○「今申楽」に相応しいキャッチコピーはないものかと、本番を観て下さった方などから時折お尋ねを受ける(中には、一緒に考えて下さるご親切な方までいらっしゃる)。そこで自分なりにあれこれ考えてみるが、どうも良いものが浮かばない。
「今申楽」自体が、既に一種のコピーのつもりなのである。そこのところを吟味して、デザイナーのM君は「申楽の今を創る」という簡にして要を得たコピーを考えてくれた。
そういう概念的な表現方法の他に、もう少し今申楽の内容自体に踏み込んだ具体的なものをとなると、これはなかなか難しい。今申楽の内容、それは我々がたった今創っている最中なのだから。
「朧座」とはよく言ったものだ、名前の通り曖昧な一座だなどと、関わって下さる方々から揶揄されることもしばしば、しかしこの揶揄は一面の真実を突いているので、私は反論しない。
「はい、そうなんです」などと答えている。
○しかし、強いて言うなら、
「祖先の記憶を保存する」
とでもなるだろうか(まだ十分オボロだと言われるかも知れないが)。前々作『香炉峯』、前作『修禅寺』、そして今度の新作で予定している内容を考え合わせると、ふとそんな表現が浮かんできた。
○いずれにせよ、前2作だけでは見えなかったものが、今回ようやく見えてきそうな気がしている。
そういう意味でも私自身、新作『川太郎』が今から楽しみだ。ご期待を乞う次第。
○などと、虚勢を張ってみるのであった。そういう時期なのである。