あらすじ

本作『修禅寺』は、将軍源頼朝の妻子、北条政子・源頼家母子の愛とそのすれ違いの物語である。

未来の将軍頼家は十二歳の時、富士山麓で行われた巻狩において、生まれて初めて鹿を射止める。喜んだ頼朝は早速使者に命じて、息子の快挙を鎌倉の妻政子に伝えさせる。ところが政子は「武将の嫡嗣が鹿を射止めるのは当然の事。粗忽な使いは煩わしい限り」と返答してしまう。
母のこの反応を伝え聞いた頼家は深い心の傷を負い、それ以来人間らしい表情を失い始めてしまう。そして十年後、将軍となった頼家は、富士山麓の洞穴にて謎の声に魂を操られようとしていた。声は頼家に言う。
お前の本当の母は政子ではなくこの私なのだ、と。

その十箇月後、伊豆・修禅寺において、頼家は政子の父・北条時政の刺客に襲われ非業の最期を遂げる。頼家を死に導いたのは果たして誰なのか。
母・政子はただ修禅寺に息子の菩提を弔う他なかった。

 
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